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このページを作ろうとする理由
ホームページを開設してから、構想を温めてきたアイデアの1つとして、いただいた本や論文抜刷の目録を作成することがありました。職業柄、私は自分の専攻とは異なる本や論文をいただくことは少なくありません。それらを目録化しつつ公開し、できれば礼状も兼ねようというもくろみでした。しかし、韓国・朝鮮考古学関係のデータ整理だけでも大変で、それ以上の目録作成を続ける自信がなく、実行に移せずにいました。
そうした中で、全ての資料を目録化しようとせずに、気の向くままに覚書として書き残していくことを思いつきました。ブログに似た発想ですが、こまめに更新する自信はありません。更新間隔が空いているときは、私が忙しいのだと考えていただき、ご容赦ください。(2007.6.1記)


2018年度も半分が過ぎてしまいました。(2018年9月30日)

どうなることかと思いながらはじまった2018年度も、あっという間に半分が過ぎてしまいました。通常の講義などに加えて、大学内の問題の当事者(?)となってしまい、本当に気の重い会議が続き、そのための資料作成にも多くの時間を当てることになりました。その一方、5月までに、依頼されていた2本の論文をどうにか書き上げました。また、6月下旬には、国立中央博物館からの招聘を受けて、国立羅州博物館と中央博物館で講演をおこないました。その間の時間を縫って、益山・羅州・扶余・公州をめぐり、中央博物館で以前から希望していた資料の調査をすることができました。7月中旬には、東京で開かれた学術フォーラムで発表。7月下旬にはずいぶん前に提出しておいた韓国語原稿の推敲をし、7月末から8月初におこなわれた、アメリカ・中国・台湾の大学院生向けの京都学サマースクールで講義を担当しました。この前後から、猛暑のためにまともに仕事ができなくなりましたが、8月下旬より依頼されていた大小の原稿を1本ずつ整理し、どうにか入稿することができました。こうした間にも、地震・大雨・台風と、さまざまな自然災害に見舞われました。9月に入って、少々、気が緩んでいましたので、これからはじまる後期の講義や行事にどのように対応できるかとても心配です。

この間には、とても悲しい知らせもありました。それは、Pai Hyung Il先生が5月末にお亡くなりになったことです。その少し前に、植民地時代慶州の地図をテーマとした論文を入稿し、Pai先生がどのように評価してもらえるだろうか、と少々わくわくしていた時でしたので、なんとも表現できないような悲しみ・虚脱感に包まれてしまいました。2000年にはじめてお会いしてから、日本・アメリカ・韓国・中国、といろいろなところで開催されたシンポジウムで、一緒に発表する機会をえることができたことは、何度か「思いつき・思いこみ」で書かせていただきました。20世紀における朝鮮考古学をめぐるさまざまな問題について、しばしば刺激的な(というより、「過激」なことも多かったのですが)論調で議論を展開する先生に、私が、具体的な資料を提示して「応戦」することで、互いの研究意識を高め、それぞれの論文を書くことができたことは、本当に楽しい時間でした。最後にお会いしたのは、2016年4月に早稲田大学で開催されたシンポジウムでのこと。実はその時には、自らの症状を自覚していたらしいことを、あとである方からお聞きしました。今年いただいたクリスマスカードには、私が研究に協力してきたことを感謝する言葉が書かれていて、「らしくないなあ」と思っていました。これも、彼女自身、何か思うところがあったのかもしれません。遅ればせながら、ご冥福をお祈りします。

池内敏2017『日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか』(叢書東アジアの近現代史 第3巻)、講談社

 店頭でみつけてすぐに購入したものの、ようやく読むことができました。池内さんのこれまでの諸研究をもとに、江戸時代を中心とした日本人の「朝鮮観」を多様な見方から検討されています。真摯な史料批判に基づくまっとうな議論の確かさを実感させられる著作だと思います。

泉貴美子1972『泉靖一と共に』芙蓉書房

 以前から読んでみたかったのですが、偶然、ネットで見つけて購入。泉靖一の生涯と、当時のさまざまな社会状況を知ることができ、興味深く読み進めました。

木村光彦2018『日本統治下の朝鮮 統計と実証研究は何を語るか』中央公論社

久しぶりに生協の書店に立ち寄った時に衝動買いしました。さまざまな統計数値が提示された点については興味深く読むことができました。ただ、どうも心に響いてこないように思われるのはなぜなのでしょうか。なかなか表現しずらいところです。

古畑徹2018『渤海国とは何か』吉川弘文館

早くから購入していたのですが、なかなか手にとることができず、読み始めてからも本を読む精神的余裕がない日々が続いて、韓国出張の前後でようやく最後まで読み通しました。渤海史をめぐるさまざまな歴史的理解の違いについて整理した上で、「ユーラシア」・「東北アジア」・「海洋国家」というキーワードをもとに渤海国の特質を明らかにしようとした試みは非常に刺激的でした。

鈴木岩弓・森謙二編2018『現代日本の葬送と墓制 イエ亡き時代の死者のゆくえ』吉川弘文館

現代日本の葬送墓制をめぐるシンポジウムをもとにまとめられた論文集。江戸時代〜明治時代にかけての墳墓研究や、納骨堂の成立過程をめぐる論文も勉強になりましたが、葬送をめぐる現代的状況や、これからの死者のゆくえを扱った第2部・第3部をみると、今後の葬送の行方について、専門家でも意見が分かれていることがわかり、いろいろと考えさせられました。

清家章2018『埋葬からみた古墳時代 女性・親族・王権』吉川弘文館

書店で目にして購入・一読しました。埋葬原理研究のところまでは面白い(これまでの研究成果がわかりやすくまとめられている)のですが、男性首長が主流となる原因として対外関係の変化を持ち出したり、王権論になってくると、読まなくても結論がみえてきてしまいました。親族関係論から展開すべき論点は、もっと他にもあると思うのですが。

冨谷至2018『漢倭奴国王から日本国天皇へ 国号「日本」と称号「天皇」の誕生』臨川書店

 書評を見て購入・一読。中国学者からみた、倭の登場から「日本」・「天皇」という名称の登場までの問題を平易に述べた本です。日本古代国家形成史を語ってやろう、といった気持ちが前面にでず、史料の交渉に徹しているために、むしろ論旨がわかりやすい、という印象を受けました。

日本史史料研究会監修・新名一仁編2018『中世島津氏研究の最前線 ここまでわかった「名門大名」の実像』洋泉社

寄贈していただき一読。中世島津氏の外交政策についての概説部分がとても興味深かったです。

上峯篤史2018『縄文石器 その視角と方法』京都大学学術出版会

上峯さんからいただいていた本を、一気に読み通しました。これまでの彼がおこなってきた研究の方法を、うまくまとめているように思います。京都大学学術出版会では、考古学関係の書籍を刊行する時には、写真を多用した素晴らしい編集をしてくださっているのですが、今回の口絵の部分はなかなかの力作だと思います。この本を読んで石器研究を志す学生が一人でも増えてくれればよいのですが。

崔吉城2018『朝鮮戦争で生まれた米軍慰安婦の真実』ハート出版

ネット上で偶然にみつけて衝動買いしました。韓国についてある程度知っている人であれば、耳にしたことがあり、なおかつ外国人には知られたくないようなテーマが取り上げられているなあ、という印象です。いわゆる慰安婦問題において韓国人が気がついていない、あるいは指摘されたくない性暴力の問題を鋭く指摘してるようでありながら、日本人のこの問題に対する姿勢についても問題提起しようとしているのではないかと感じられました。

二松啓紀『絵はがきの大日本帝国』平凡社

書店でみかけて衝動買いしました。20世紀前半の絵はがきを素材として、北清事変・日露戦争から敗戦にいたるまでの大日本帝国史を概観する内容となっています。改めて絵はがきのもつさまざまな意味を読み取ることの面白さを感じさせる本ではないかと思いました。

高月靖2018『在日異人伝』バジリコ

新聞広告をみて、購入・一読しました。ほとんどの人物に対するソースは、直接に関係者への取材ではなく、書籍や新聞記事などである点がやや残念。ただ、単純な人物伝ではなく、それぞれの人物が生きた時代や、関係する人物についても言及することによって、ある程度読み応えのある本になっていると思いました。

宮川渉2018『よみがえる百舌鳥古墳群 失われた古墳群の実像に迫る』新泉社

本の紹介を読んで購入・一読。全く目新しいテーマがある訳ではありませんが、墳丘企画論にしろ、陵墓問題にしろ、最近までの情報を踏まえた再検討がなされており、勉強になりました。

三田一郎2018『科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで』講談社

新聞での紹介をみて購入・一読しました。プル−バックスに「神」を扱った本なんて、と半信半疑で読み始めたのですが、物理学を中心とする科学史の本、ということで納得。ただ、同様のテーマを扱った本の場合、どのようにして科学がキリスト教会に勝利するのか、という視点で描かれるのに対して、本書においては、カトリックの信徒であり科学者である、という著者の視線から記述されている点が、面白いところだと思いました。

以下は、この間にいただいた論文・書籍です。どうもありがとうございました。

高橋照彦・中久保辰夫・橋本達也・三好祐太郎・竹内裕貴2018「大阪府野中古墳出土品の再検討」『大阪大学大学院文学研究科紀要』第58巻
橋本達也2018「古墳と南東社会−古墳時代における南の境界域の実相・広域交流・民族形成−」『国立歴史民俗博物館研究報告』第211集
橋本達也2018「おじょか古墳の副葬品と被葬者像」『おじょか古墳と5世紀の倭 記録集』
橋本達也2018「天皇陵古墳の名称−仁徳陵古墳・大山古墳・大仙陵古墳・大仙古墳・仁徳天皇陵古墳をめぐって−」『待兼山考古学論集V−大阪大学考古学研究室30周年記念論集−』
橋本達也2018「古墳時代の九州南部社会と交流」『東シナ海と弥生文化』雄山閣
橋本達也2018「木製の武器・武具・馬具」『モノと技術の古代史 木器編』吉川弘文館
設楽博己2018「南西諸島の大洞系土器とその周辺」『東京大学考古学研究室研究紀要』第31号
設楽博己2017「つくられた弥生時代」『中央史学』第40号
設楽博己2017「柳田国男の山人論と考古学」『国立歴史民俗博物館研究報告』第202集
鶴来航介2018「広鍬の編年−近畿地方における初期農耕社会の木器生産−」『史林』101巻3号
長友朋子2018「日本列島における土器窯の導入」『待兼山考古学論集V−大阪大学考古学研究室30周年記念論集−』
韓志仙・長友朋子2018「韓半島における一つ掛け竈と二つ掛け竈」『物質文化』98
興福寺監修2018『阿修羅像のひみつ』、朝日新聞出版
片山健太郎2018「古墳時代の障泥とその系譜」『古文化談叢』第81集
古谷毅2018「『埴輪集成図鑑』の研究(一)」『学叢』第40号
古澤義久2018『東北アジア先史文化の変遷と交流』六一書房
庄田慎矢・オリヴァー=クレイグ2017「土器残存脂質分析の成果と日本考古学への応用可能性」『日本考古学』第43号
庄田慎矢・ソンジュンホ2017「日本の発掘調査と報告書作成、配布、活用」『野外考古学』第30号
庄田慎矢2017「農耕の定着化と土器の器種構成の変化」『季刊考古学』138号
庄田慎矢・韓志仙2016「日韓古代木製食器の比較研究−器種と樹種を中心に−」『日韓文化財論集V』
片山まび2018「朝鮮時代金海陶磁器からみた韓日関係」『韓国芸茶学』第6号
片山まび2018「異境の日本窯−「倭館窯」の成立と展開を巡る試論−」『陶磁器の考古学』
片山まび2018「朝鮮時代の「甕器」について−薩摩銅平窯との比較を視座として−」『壺屋焼物博物館紀要』第19号
金洛中2017「韓国考古学における起源と系統の研究−三国時代」『韓国考古学報』102
金洛中2017「百済考古学研究における益山弥勒寺址西塔出土遺物の意味」『百済文化』第57輯
金洛中2016「墳墓出土土器からみた馬韓の成長と地域性」『文化財』49巻4号
金洛中2016「石室からみた羅州伏岩里勢力と周辺地域の動向」『文化財』49巻1号
金洛中2015「栄山江流域梯形墳丘墓の登場過程と意味」『百済学報』第14号
李載貞2016「国立歴史民俗博物館所蔵の古活字版5種と朝鮮版本−日韓古活字印刷の比較−」『国立歴史民俗博物館研究報告』第200集
李載貞2014「第10次朝鮮通信使関連資料『朝鮮人来聘記』」『美術資料』第86号
李炳鎬2018「遺物を通してみた大加耶の仏教文化」『韓国仏教学』第86輯
李炳鎬2018「益山弥勒寺址出土百済軒丸瓦の基礎的検討」『百済学報』第24輯
李炳鎬2018「熊津・泗ビ期百済王室の祖先祭祀の変遷」『先史と古代』55
李炳鎬2018「公州地域百済軒丸瓦の特徴と系統」『百済文化』第58輯
李炳鎬2017「日帝強占期益山地域の古蹟調査と双陵出土品」『百済文化』第56輯
崔卿煥2017「百済王興寺初創期瓦受給体制に対する計量的研究」『韓国考古学報』105
朴成南2018「ソウル・京畿地域印花文土器に対する小考−古墳出土高坏・台付椀・蓋を中心として−」『新羅文化』第51輯
大谷晃二2018「古天神古墳出土大刀の時期と系譜」『古天神古墳の研究』
實盛良彦・鈴木瑞穂・後川恵太郎2016「大阪府北河内地域における古墳時代鉄鍛冶の一様相−四條畷市讃良郡条里遺跡を中心に−」『たたら研究』第55号
板垣優河2018「磨石・石皿類の使用痕分析−長野県北村遺跡の資料を中心に−」『長野県考古学会誌』156号
横田冬彦2018『日本近世書物文化史の研究』岩波書店
下垣仁志2018『古墳時代銅鏡考』同成社
高田健一・矢野健一・馬上昌大・鈴木大輔2018「鳥取大学所蔵・青島遺跡出土の縄文土器について」『鳥取県立博物館研究報告』第55号
吉村和昭2018『古墳時代中期における甲冑生産組織の研究−「型紙」と製作工程の分析を中心として−』(平成26年度〜29年度 科学研究費助成事業 基盤研究(B))
安賢善2018「唐朝における朝鮮半島系遺民−特に唐朝からの官職授与を中心に−」『人文論究』第67巻第4号
井上直樹2011「7世紀前半新羅の対倭外交」『2010新羅学国際学術大会論文集』第4輯
井上直樹2018「百済の王号・候号・太守号と将軍号−5世紀後半の百済の支配秩序と東アジア−」『国立歴史民俗博物館研究報告』第211集
山田隆文2018「古代山城の立地環境−百済・新羅との比較を通して−」『鞠智城と古代社会』第6号
山田隆文2017「高安城」『シンポジウム667年に築かれた3つの山城に迫る 資料集』
平田健2018「明治期の華族による考古学研究−阿部正功子爵と二条基弘公爵の活動を中心に−」『史林』101巻1号
矢野健一2018「西日本縄文社会の「弥生化」」『環太平洋文明研究』第2号
黄暁芬・鶴間和幸編2018『東アジア古代都市のネットワークを探る』汲古書院
上野祥史編2018『共同研究 古代東アジアにおける倭世界の実態』(国立歴史民俗博物館研究報告第211号)
諫早直人2018『古代東北アジアにおける金工品の生産・流通構造に関する考古学的研究』(平成26〜29年度科学研究費(学術研究助成金(若手研究(B)))
森下章司2016「神獣鏡と黄帝・玄女」『古文化談叢』第77集
森下章司2016『五斗米道の成立・展開・信仰内容の考古学的研究』(平成24〜27年度科学研究費助成事業基盤研究(B)研究成果報告書)
笹川尚紀編2018『京都大学構内遺跡調査研究年報 2016年度』京都大学文化財総合研究センター
高上拓・波多野篤2018『石清尾山古墳群(稲荷山地区)調査報告書』(高松市埋蔵文化財調査報告第190集)、高松市教育委員会
馬渕一輝2017「獣首鏡の系譜−後漢後期における廣漢と華西を中心に−」『中国考古学』第17号
馬渕一輝2017「林裕己氏蔵紀年鏡の新資料」『横浜ユーラシア文化館紀要』No.5
上峯篤史2018『縄文石器 その視角と方法』
天理市観光協会2018『ここまで判った物部氏−考古学の研究成果から−』
京都国立博物館科学研究費研究会・慶北大学校2018『日韓埴輪の比較・検討と倭系古墳出現の歴史的背景』(第3回古代韓日古墳研究交流会・第34回古墳文化研究会))


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