笑い 

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物笑い(2002年11月26日)  

      他の人から、あざけり笑われること。必ずしも持

   ち物を笑われているわけではなく、その人自身が笑われ

   ていることも指す。一般的には、「世間の」という形容

   詞とともに用いられることが多い。「タネ」を媒介に繁

   殖する傾向があり、常識に凝り固まった人同士の会話の

   中で、よく使用される。「ぶつわらい」とか「もつわら

   い」と読むのは誤り。それこそ、物笑いのタネになるか

   ら要注意である。


独り笑い(2002年8月6日)  

      文字通り、独りでいる時に、生じる笑い。「ひと

   りわらい」という音だけで聞くと、寄席の会場で一人

   の観客だけが笑っていることを指しているようにも思

   われるが、これは誤りである。大笑いしてすぐ忘れる

   短期笑費型ではなく、じわじわと楽しむ長期笑費型の

   人が愛用する。面白い本を読んでいる時にも自然発生

   することがあるので、電車の中では注意を要する。自

   分だけしか知らない秘密を楽しむ時に、生じる笑いで

   もあり、あまり健康的とは言えない。

鼻先笑い(2001年6月23日)  

        人をあしらう時や小バカにする時の笑い。「フン」という言

     葉とともに、顔を正面から見て斜め約30度に傾け、腕を組み

     ながら発するのが、最も正統派と評されている。鼻の穴をす

     ぼめ、口を少し歪めながら、相手に聞こえるか聞こえないか

     程度の声量で使用すると、もう完璧といえよう。ただし、相手

     に対しては、拒絶するという大きな効果を発揮するが、第三

     者には好感度ダウンという副作用を伴うことが多いので、取

     り扱いには十分な注意が必要である。後に続くセリフとして、

     「顔を洗って出直してこい」「10年早いわ」などがある。

 

盗み笑い(2001年2月16日)  

        「忍び笑い」とほぼ同義だが、「忍び笑い」に比べて、

     後ろめたさのあるニュアンスは否めない。しかし、笑いを盗

     んだらどうなるのか、そもそも笑いは果たして窃盗罪の対象

     物たりうるのかなど、さまざまな問題提起をしている笑いと

     もいえる。別名「パクリ笑い」とも呼ばれる。

 

苦笑い(2001年2月7日)  

       苦しい笑いの略だが、「くるしいわらい」とは読まない。

     笑いの名前の由来は謎に包まれており、その解明が笑

     いの研究の大きな課題となっている。おもしろくないのに

     笑うという点では、「愛想笑い」と共通しているが、主体的

     な笑いであるという意味では、一線を画している。羞恥心

     やプライドなどと強い関連性があるため、乳幼児にはほと

     んど見られない。自我の芽生えのバロメーターとも考えら

     れており、地方によっては、子どもにこの笑いが見られた

     時に、盛大なお祝いをする風習が残っているところもある

     という。

 

涙が出るほどの笑い(2001年1月26日)  

       究極の大笑い。「笑い転げる」「腹がよじれるほど笑う」

    「腹をかかえて笑う」などの上をいく笑い。涙は悲しい時だ

    けではなく、おかしい時にも出るものだということが、この

    笑いの観察により発見された。「ギャッハッハ」「ゲラゲラ

    ゲラ」などガ行の発音を伴うことが多い。発生するメカニズ

    ムは独特で、周囲にいる人間の笑いに同調し、増幅して、

    この笑いに達する場合がほとんどである。その証明として

    は、後で思い出してみると、「何がそれほど面白かったの

    かよく分からない」「他の人に、その状況を話しても、あまり

    笑ってもらえない」などの事実があげられる。

 

照れ笑い(2001年1月14日)  

      恥ずかしさをごまかす、卑怯な笑い。「照らす」笑いと書

    くと、一見、明るくて朗らかでさわやかな笑いを想像させる

    が、実際は正反対の意味となる。日本人の専売特許とも言

    える笑いで、外国人には不気味さを与えるようである。シャ

    イ=謙虚=好印象という日本的な価値観が通用しない典

    型的な例として、よく用いられる。笑い声も「デヘヘヘヘ」な

    ど、あまり品が良いとは言えないものが多く、絶対絶命の

    ピンチ以外は、使用しない方が無難である。

 

作り笑い(2001年1月3日)  

      おもしろくもないのに、無理して笑うというニセモノの笑

   い。これが紙幣やブランド品のニセモノだったら、取り締まり

   の対象になるのだが、ニセモノの笑いは、現場を押さえても

   不起訴になる確率が、非常に高い。イメージ的には、笑いを

   作るという生産的な響きのする言葉だが、あまり評判は芳し

   くなかった。しかし、医学の発達により、作り笑いでもナチュ

   ラル・キラー(がん細胞を殺す働きを持つ。NK細胞ともいう)

   細胞の働きを活性化させる働きを持つことが明らかになりつ

   つあり、評価の見直しが進みつつある。

 

追従笑い(2000年12月23日)  

      「愛想笑い」とほぼ同義だが、こちらの方が否定的な響

   きが強い。「ついしょうわらい」と読む。「従」という字を「しょ

   う」と読むのは、この時ぐらいであり、日本語の奥行きの深さ

   を感じさせてくれるという意味では、貴重な笑いといえる。「つ

   い、しょうもないもんに笑てしもた」というのが語源であるとい

   う説もあるが、定かではない。

 

忍び笑い(2000年12月13日)  

      気づかれないように、こっそり蔭で笑うという、一見、地

    味目な笑い。しかし、その場を離れた後で、みんなで話の

    ネタにしながら、もう一度大笑いを楽しめるという危険な誘

    惑を秘めている。昔、忍者が屋敷に忍び込み、天井や床下

    で潜んでいる時に、殿様のくだらないダジャレが聞こえてき

    たが、さすがに日ごろの厳しい鍛錬がものを言い、声を出さ

    ずに笑ったというのが語源。「クククク…」と表記するのが一

    般的である。

 

豪傑笑い(2000年11月30日)  

      文字で書く時には、100ポイント以上、太ゴシック体の

   使用が義務づけられている笑い。通常は、「グゥワゥハッハ

   ッハ」と表す。まれに、「カンラカラカラ」と書くこともあるが、

   空気の乾燥との関連性は定かではない。豪傑そのものがほ

   とんど見当たらなくなった現代においては、なかなか耳にす

   ることができない笑い。つつましさや繊細さとは対極に位置

   するが、イヤらしさや下品さとも一線を画す。かつては時代劇

   の素浪人などが使用していたが、今は死語に近い。

 

空笑い(2000年11月25日)

        「そらわらい」と読むのは誤りで、正しくは「からわらい」

    と読む。英語でいえば「sky laugh」ではなく「empty laugh」。本

    当は笑うどころか深刻な状況に陥っているにもかかわらず、

    そんな時でも笑っているという、全くTPOをわきまえていない

    笑い。見栄を張る人、虚栄心の強い人、意地っ張りの人に多

    く見られる。

 

思い出し笑い(2000年11月11日)

        過去の記憶をたどりながら発する笑い。写真やビデオ、

    日記などが、発生源となりやすい。年代にかかわりなく、幅

    広く使用されるが、経験に乏しい乳幼児が使用した例は、世

    界でも数例報告されているだけである。主に一人でいる時に

    発せられ、「ウフフフ」「フフフフ」など、フ段活用<9月4日分

    参照)の笑いが使用されることが多い。恥ずかしい失敗やつ

    らい出来事なども、この笑いによって甘い思い出に変えるこ

    とができるという不思議な効用を持つ。しかし、頻繁に使用し

    すぎると、現在から逃避しがちになるという副作用もある。「こ

    のころに戻りたい」「昔は良かったなあ」とのつぶやきが出始

    めると要注意である。

 

薄ら笑い(2000年10月29日)

       かすかな笑い。相手をばかにする時に効果的だが、笑

    い声を出さないのが一般的であるため、相手に気づかれない

    ことも多い。追及されても、「そんなつもりはない」と言い逃れ

    できるようにしておく微妙な表情が要求され、高度な技術を要

    する。教育上も好ましくないため、18歳未満は禁止という県

    が多い。笑いの厚さをどのように測るのかという問題提起もさ

    れており、今後の研究対象としては興味深い笑いである。

 

愛想笑い(2000年10月18日)

       実は面白くないのに、表面上取り繕う笑い。追従笑い、

    ゴマすり笑い、エセ笑い、ヨイショ笑いともいう。ビジネス界に

    蔓延しており、上司のダジャレや寒いギャグが発せられた時

    に、よく見られる。人間関係の潤滑油として不可欠なものと

    みなされているが、ストレスの要因ともなっている。過剰に使

    用すると、神経病や胃潰瘍など、心身ともに蝕まれることもあ

    る。この笑いで出世したことから、「笑う門には福来たる」とい

    うことわざが生まれたという少数意見もある。日本人特有の

    笑いとも言われているが、若者の使用頻度が急激に減少し

    ており、伝統と文化を守る立場から、消滅の危機を唱える声

    も高まっている。

 

腹を抱える笑い(2000年10月7日)

       大笑いマグニチュード8以上の笑い。目からは涙が、鼻

     からは鼻水が、口からはよだれが出ているのも忘れるほど

     の状態で、なかなか症状は治まらず、“余笑”がくることも

     多い。あまりに長引くと、腹痛を起こすなどの副作用も生じ

     ることがあるので、注意が必要である。しかし、「へそが茶

     をわかす」など、省エネにも貢献する場合もある。人の目を

     気にしない、声量がある人に最も適した笑いである。力士

     などは抱える対象であるところの腹があまりにも巨大すぎ

     るので、“抱える”のではなく、“たたく”で代用することが多

     い。

 

ホ段活用の笑い(2000年9月22日)

      「オホホホ」「トホホホ」「ノホホホ」「ホホホホ」の4種類。

    広義
には、「ンホホホ」「ウホホホ」「ムホホホ」「ギャホホホ」

    「ニャ
ホホホ」「ニョホホホ」を含めて10種類。

      上品ぶった笑い。口先をすぼめるポーズが、ストローをくわ

    えた形に似ていることから、「ストロー笑い」とも呼ばれる。中

    年以上の女性間同士の会話でよく使われ、自慢話や「ざあま

    す」言葉と併用されるのが大きな特徴である。性悪な有閑マ

    ダムを表現する笑いとして、小説家や漫画家には重宝がられ

    ている。しかし、コギャルの間では、すでに死語と化しており、

    いずれ消滅の運命をたどるものと推測されている。

 

ヘ段活用の笑い(2000年9月13日)

       「エヘヘヘ」「ケヘヘヘ」「テヘヘヘ」「ヘヘヘヘ」「ゲヘヘ

   ヘ」「デヘヘヘ」「ベヘヘヘ」の7種類。広義には、「アヘヘヘ」「ウ

   ヘヘヘ」「ムヘヘヘ」「ガヘヘヘ」「ギヘヘヘ」「グヘヘヘ」「ギャヘ

   ヘヘ」「ギョヘヘヘ」を含めて15種類。

      最もひ弱で、情けない笑い。失敗をごまかそうとする時、恥

   をかきそうになった時、形勢が不利になった時に、よく使用され

   る。視線が下がり、口もだらしない半開きの状態であり、決して

   自分では見たくない笑いといえる。農業が始まり、社会的生活を

   営むようになった弥生時代に生まれたという説が有力である。

 

フ段活用の笑い(2000年9月4日)

    「ウフフフ」「クフフフ」「ヌフフフ」「フフフフ」

  「ムフフフ」「グフフフ」「ブフフフ」「プフフフ」の

  8種類。広義には、「ンフフフ」「ガフフフ」「ダフフ

  フ」「バフフフ」「パフフフ」「ギャフフフ」「ビャフ

  フフ」「ピャフフフ」を含めて16種類。

    一見、愛らしさを感じさせる笑い。口をすぼめる不

  自然な形からも分かるように、面白さを表現するという

  よりも、むしろ周りを強く意識した表現であり、打算的

  な笑いともいえる。幼児期にはほとんど見られず、思春

  期によく使われるようになる。使用頻度は、圧倒的に若

  い女性に多い。まれに思い出し笑いにも、使用される。

 

ハ段活用の笑い(2000年8月15日)

   「アハハハ」「タハハハ」「ナハハハ」「ハハハハ」

  「ワハハハ」「ガハハハ」「ダハハハ」の7種類。広義

  には、「ンハハハ」「ギハハハ」「ヌハハハ」「ブハ

  ハハ」を含めて11種類。

    健康的で屈託のない笑い。最も原始的な笑いで、縄

  文時代中期までは、この笑いしか存在しなかったという、

  あまり信頼のおけない説もある。一般的には、場をなご

  ませる効果があるが、自慢する時にもよく使われており、

  逆にひんしゅくを買う場合も少なくない。

    口を大きく開け、腹式呼吸をした状態になるので、

  ストレス解消の効果がある。最も声が大きく聞こえるた

  め、場所や限度をわきまえないと、下品に思われてしま

  う可能性を秘めており、単純そうに見えて実はかなり奥

  の深い笑いでもある。  

  

ヒ段活用の笑い(2000年8月21日)

   「イヒヒヒ」「キヒヒヒ」「ニヒヒヒ」「ヒヒヒヒ」

  「ギヒヒヒ」の5種類。広義には、「ウヒヒヒ」「ヌヒ

  ヒヒ」「ムヒヒヒ」「ンヒヒヒ」「グヒヒヒ」「ブヒヒ

  ヒ」を含めて11種類。

    陰にこもった、いやらしい笑い。時代劇やアニメな

  どによく使われ、悪代官と良からぬ企みを図る商人や、

  危機に陥ったヒーローをあざける悪党の笑いとして、広

  く知られている。しかし、笑った時に、歯がむき出しに

  なるため、歯によほど自信のある人でないと恥をさらす

  結果となるため、実際に使われる例はきわめてまれであ

  る。そのため、もっぱら、ひとりでいる時にしか使用で

  きず、ますます陰湿性を深める傾向を強めている。

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