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雑感
支援責任者 西村 學

 休日(2月11日)の朝、新聞をめくっていたら、<自立支援法、所得に応じた負担に、与党PT 「原則一割」削除>(朝日新聞)という見出しが目にとびこんできました。2006年10月に本格施行がはじまった障碍者自立支援法を一言で説明すれば、サ−ビスメニュ−を増やす一方で、サ−ビスを利用すれば、所得に関係なく、費用の1割を負担しなければならないという制度です。行政は、メニュ−の充実をクロ−ズアップして、地域での自立生活を可能にする制度であると喧伝してきました。しかし現状では、1割負担が重荷になって多くの方がサ−ビスを受けられなくなり、「自立法」ではなく「不自立法」だと揶揄されてきました。記事を読みますと、<所得に応じた「応能負担」へと法改正する方針を固めた>とあります。この法律が成立して以来、「応益負担」から「応能負担」への転換を叫んできた私としては、期待をもって今後の動向を見守りたいと思います(民主党は、この法律の廃止を要求しています)。
 今、麻生首相の「私は郵政民営化に反対だった」という国会答弁がマスコミを賑わせています。圧倒的多数の国民に支持された小泉元首相の「小さな政府」、「規制緩和」、「官から民へ」という政策の結果が、最近「負の遺産」としてかなり明確になってきたため、総選挙を意識して、小泉さんとの違いを強調せざるを得なくなったのでしょう。「負の遺産」の一つである自立支援法の改正も総選挙睨みだと言われています。
 新自由主義経済学にもとずく小泉−竹中路線は、国民の圧倒的支持を得て、批判の声はかき消されてしまいましたが、アメリカ発の金融パニックの勃発で、新自由主義経済学の破綻が誰の目にも明らかになりました。信念もなく、時の流れのままに新自由主義政策を吹聴し、世論形成に一役買った評論家の田原総一郎も、最近では真逆のことを言い始め、一旦消し去った経済学者を自分の番組に再登場させ始めています。竹中本人ですら、「僕は新自由主義を支持すると言ったことはありません」とみっともない弁明につとめています。わが山形県でも小泉路線を踏襲した知事が、県民の賢明な審判を受けました。
 私は、この冬休みに、新自由主義経済学の実態を知りたくて、最近話題となっている2冊の本「強欲資本主義−ウォ−ル街の自爆」(神谷秀樹、文藝春秋)と「資本主義はなぜ自壊したのか」(中谷巌、集英社)を読みました。前者では「利己的な金儲け至上主義者」が支配してきた世界の経済界の実態を知り唖然としました。また後者では、新自由主義政策の旗振り役として小泉政権にも大きな影響を及ぼした著者の「不勉強だった」という反省のことばに、呆れを通り越して笑ってしまいました。このような連中の助言のもとで、小泉は「聖域は一切なし」と叫んで、労働も医療も福祉も教育も壊していったのです。とりわけ、歴代政権が聖域として財政削減の対象としてこなかった障碍者の福祉や教育に手をつけ、障碍者の生存すら危うくする事態をまねいたこと(たとえば、重度障碍者のホ−ムヘルプサ−ビスの利用制限など)は万死に値します。特別支援教育への転換も、実は財政削減の一環なのです。
 アメリカの金融システムの崩壊により、今後、国民の生活はさらに窮迫の度合いを強めることでしょう。でもとりあえず新自由主義との決別は私を勇気づけてくれます。最近、小林多喜二の「蟹工船」だけでなく、マルクスの「資本論」の販売部数も突然増大したと聞きました。新自由主義の否定に止まらず、資本主義の否定にまでいきつくのでしょうか。学生時代の熱情がよみがえる昨今の状況です。
 最後になりますが、大心君、葵衣ちゃん、小学校ご入学おめでとう。これから12年間、学校生活を大いに楽しんでネ。
 美野輪君、市橋君、修了おめでとう。長い間「なのはな」を支えてくれてありがとう。加藤さん、佐久間君ご卒業おめでとう。厳しい社会への旅立ちですが、たくましく荒波を乗り越えて下さい。