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このページを作ろうとする理由
ホームページを開設してから、構想を温めてきたアイデアの1つとして、いただいた本や論文抜刷の目録を作成することがありました。職業柄、私は自分の専攻とは異なる本や論文をいただくことは少なくありません。それらを目録化しつつ公開し、できれば礼状も兼ねようというもくろみでした。しかし、韓国・朝鮮考古学関係のデータ整理だけでも大変で、それ以上の目録作成を続ける自信がなく、実行に移せずにいました。
そうした中で、全ての資料を目録化しようとせずに、気の向くままに覚書として書き残していくことを思いつきました。ブログに似た発想ですが、こまめに更新する自信はありません。更新間隔が空いているときは、私が忙しいのだと考えていただき、ご容赦ください。(2007.6.1記)


2017年が終わってしまう!(2017年12月31日)

 この1ヶ月あまりも、いろいろな雑事に追われるばかりでした。中でも大変だったのが、3人で担当するはずだったのが私1人で担当することになった「朝鮮・韓国学入門」の講義準備。本来の私の担当分が11月中旬で終わってしまい、そこからは、高麗時代・朝鮮時代の日朝関係についての話でつないで、ようやく植民地時代における文化財問題の話をはじめたところで今年の講義が終了。ところが、1月にあと4回も講義が残っています。そのうち3回は新たに講義の準備をしなければなりません。登録者180名、出席者平均150名という大講義で、毎回、出席者に課している感想を読みながら、いろいろと勉強にはなるのですが、他の仕事がいろいろと舞い込んでくる中での準備はやはりきついです。いくつか抱えていた韓国の研究者との案件は、ほぼ片付き、投稿した論文集も無事到着して一安心です。しかし、やり残していること、手もつけられずにいること、これからやるべきことが、まだまだ山積みです。どうにか冬休みの間に、といいたいところですが、5日には講義があるのでその準備で手一杯になりそう。途方にくれながら、新年を迎えることになりそうです。

水野さや2016『韓国仏像史 三国時代から朝鮮王朝まで』名古屋大学出版会

以前から読もうと購入しておいたものを、意を決して一読。朝鮮時代の記述がどうしても薄くなるのは仕方ないとはいえ、他の時代については、これまでの断片的な知識をつなぎ合わせるのに有益でした。参考文献は、今後の勉強に役立ちそうです。

藤田亮策1958『朝鮮の歴史』福村書店

以前から部分的には読んでいたのですが、偶然、古本として意外に安く売りに出されたのを見て購入、改めて全体を読み通しました。戦後も植民地史観の立場から書かれた概説書として批判されることの多い本書。そうした批判がなされてきた理由を確認しつつ、藤田がこの段階でどうしてこのような概説を書くことになったのかについて、さまざまな面から考えてみる必要があると思わされました。

金素雲1985『三韓昔がたり』講談社学術文庫

この本の原本(1942年)に掲載された写真に関する問い合わせがあったのを契機として購入・一読。とても読みやすい文章で、空いた時間をみながら楽しく読むことができました。それと共に、戦中期にこのような本を出版することができたことに驚くと共に、その背景が気になっています。

黄暁芬編著2017『交趾郡治・ルイロウ遺跡U−2014−15年度発掘からみた紅河デルタの古代都市像−』

ベトナムのルイロウ遺跡の2冊目の概報です。私は何もできていないのですが、プロジェクトに名前だけは連ねているということで宣伝です。黄暁芬さんが出版にあたってずいぶんご苦労されましたので、是非ご購入を。銅鼓の鋳型や人面瓦をはじめとして、興味深い遺物がかなり出土しています。

『中くらいの友だち』編集部2017『中くらいの友だち(韓くに手帖)』vol.1、vol.2、皓星社

以前に相談を受けたことがある、韓国在住のライター伊東順子さんからvol.2をいただき、御願いしてvol.1を購入しました。伊東さんをはじめとしてプロのライターによる執筆・編集ですので、読み応えのある内容となっています。何よりも「中くらいの友だち」という題名に共感するところ大です。こちらも販路拡大に苦労されているとのことです。関心のある方は是非ご一読を。来春には3号が予定されていると聞いています。

以下は、この間にいただいた論文・書籍です。どうもありがとうございました。

京都文化博物館地域協同事業実行委員会2017『学校と考古学』
平田健2017「東京女子高等師範学校旧蔵の考古学模型標本」『日本考古学史研究』第5号
阪口英毅2017「天神山7号墳出土甲冑の基礎的検討」『福井市天神山古墳再考』
阪口英毅2017「中期古墳編年と甲冑研究」『中期古墳研究の現状と課題T−広域編年と地域編年の齟齬−』
漢城百済博物館2017『漢城百済博物館ガイドブック』
山本孝文2017『古代朝鮮の国家体制と考古学』吉川弘文館
右島和夫2017「田中良之氏と金井東裏遺跡の調査」『骨からみた古代日本の親族・儀礼・社会』


この間、何をしていたのやら(泣)(2017年11月16日)

 久しぶりの更新です。この間、いろいろな仕事が重なって、十分にこなすこともできないまま、とにかく前に進むしかない、という日々でした。概説書原稿の校正、文字瓦論文の執筆、韓国での報告、日本でのパネルセッションの準備・報告などは、私が安請け合いした結果ですから致し方ありません。しかし、リレー講義のリレー相手がいなくなったり、英語講義の準備に振り回されたりするのには、さすがに参りました。結果として、本来やるべきいくつかの仕事ができずに、関係者に迷惑をおかけしております。いつもながら、申し訳ございません(続く(泣))。

尹海東(沈煕燦・原佑介訳)2017『植民地がつくった近代 植民地朝鮮と帝国日本のもつれを考える』三元社

 「怪物としての民族主義を越えて!」という帯の文句通り、なかなか刺激的な論文集でした。「植民地近代」・「植民地公共性」・「植民地近代性」といった用語については知っていましたが、1冊の本で整理されることによって、以前よりも理解が深まったように思います。

金哲(渡辺直紀訳)2017『植民地の腹話術師たち 朝鮮の近代小説を読む』平凡社

 19世紀末から20世紀前半において、朝鮮人の書いた小説をめぐる13のテーマが取り上げられています。連載をまとめたということで、各章は短く読みやすかったです。ただ、漢文・朝鮮語・日本語・英語というさまざまな言語が、小説の中にどのように取り込まれていくのか、という議論を、日本語に翻訳するというのは、大変な作業であったと思います。原書と読み比べてみたい、などと失礼なことを考えてしまいました。

中川毅2017『人類と機構の10万年史』講談社

夏休み前の生協による新書15%オフセールで購入した1冊です。水月湖でのプロジェクトの成果の一端を知ることができたのが大きな収穫です。

天野郁夫2017『帝国大学−近代日本のエリート育成装置』中公新書

やはり、夏休み前の生協による新書15%オフセールで購入しました。現在の国立大学をめぐるさまざまな議論と同様の議論が、帝国大学においてもおこなわれていたのだということを知ったのが最大の収穫です。

中川毅2015『時を刻む湖 7万枚の地層に挑んだ科学者たち』岩波書店

ブルーバックスの中川さんの本を読んだ関係で衝動買い。研究物語としては、なかなか読みごたえがある本でした。こうした本を読むと、基礎研究の重要性を再確認することができ、うれしくなります。

今尾文昭・高木博志編2017『世界遺産と天皇陵古墳を問う』思文閣出版

高木先生からいただいていた本を、改めて通読。「天皇陵」の呼称問題を森浩一先生がいろいろと議論をはじめた本は、高校時代に読んだことがありましたが、今尾さんの論考により、どのような時系列で議論が展開されたのかを確認することができました。本書で提起された問題を検討しないまま、世界文化遺産の登録に進んでいる現実をどう捉えれば良いのか、悩ましいところです。このままでは、世界的な「お国自慢」になってしまうように思います。もっとも、世界文化遺産なんて、所詮そういうものなのかもしれませんが。

朴裕河・上野千鶴子・金成ミン・水野俊平2017『日韓メモリー・ウォーズ 私たちは何を忘れてきたか』弦書房

たまたま本の存在を知って衝動買いしました。講演とシンポジウムの記録ですので、気楽に読み進むことができました。内容も勉強になりましたが、上野千鶴子さんの進行の切れ味にも感心させられました。

朴沙羅2017『外国人をつくりだす 戦後日本における「密航」と入国管理制度の運用』ナカニシヤ出版

講義に役に立つかと思い、衝動買いしました。オーラスヒストリーについての議論などから期待されたところと、実際の分析および結論の内容の違いにやや戸惑いました。しかし、「密航」と「外国人登録」との関係については、さまざまなことを考えさせられました。

奈良文化財研究所編2017『飛鳥・藤原京を読み解く 古代国家誕生の軌跡』奈良文化財研究所

いただいたものをざっと一読。講演録なので、出退勤の間に気楽に読み進めました。やはりいい物を扱うと、お話もいろいろな方面へと広がっていくのですね。勉強になりました。

李成市・宮嶋博史・糟谷憲一編2017『世界歴史大系 朝鮮史1(先史〜朝鮮王朝)』山川出版社

今年の初めから4月までかかって泥縄原稿を書き上げて、どうにか企画倒れになることなく、刊行されました。私の執筆分はともかく、こうした朝鮮史の通史が刊行されたことの意義の大きさを実感しています。少々高いですが、是非、一度手に取っていただければ幸いです。

以下は、この間にいただいた論文・書籍です。どうもありがとうございました。

新田和央2017「畿内系火鉢の初期拡散−王ノ檀遺跡出土火鉢の再検討−」『宮城考古学』第19号
新田和央2017「広域展開した瓦器−奈良火鉢・風炉について−」『陶磁器の考古学』第7巻
佐藤隆2017「難波と飛鳥、ふたつの都は土器からどう見えるか」『大阪歴史博物館研究紀要』第15号
金玄耿2017「平安貴族社会と「貴種」」『史林』100巻4号
諫早直人2017「東アジアにおける馬文化の東伝」『海を渡って来た馬文化−黒井峯遺跡と群れる馬−』
張祐栄2016「韓半島沖積平野における青銅器時代集落遺跡の立地」『半田山地理考古』第4号
諫早直人・大江克己・金宇大・古幡順子・吉澤悟2017「群馬県白山古墳出土品の研究1」『鹿園雑集』第19号
李在桓2017「統一新羅時代の金官小京に対する考古学的検討」『朝鮮学報』第243輯
高野紗奈江2017「変容する縄文原体とその背景−比叡山西南麓縄文遺跡群出土の後期土器を素材にして−」『考古学研究』第64巻第2号
冨井眞2017「局地的災害痕跡と埋蔵文化財調査−京都盆地東北部の弥生時代の土砂移動とその前後−」『考古学研究』第64巻第3号
秦小麗2017『中国初期国家形成の考古学的研究−土器からのアプローチ−』六一書房
高松市教育委員会・株式会社日進堂2017『相作馬塚古墳U』(高松市埋蔵文化財調査報告第185集)
阪口英毅2017「甲冑研究の動向ー2010年代を中心にー」『月刊考古学ジャーナル』No.701
梶原義実2017「瓦の生産と流通」『愛知県史』資料編5 考古学5 鎌倉〜江戸
梶原義実2017「信越地方の国分寺瓦」『名古屋大学文学部研究論集』史学63
梶原義実2016「東海道・東山美智の国分寺瓦(1)−尾張・美濃国分寺について−」『日本古代学論集』
梶原義実2016「国分寺成立の様相」『考古学ジャーナル』680
梶原義実2016「勝川遺跡出土の古代瓦について」『尾張 勝川X 古墳から古代寺院へ』梶原義実2016「瓦からみた北陸道の国分寺」『再論、若狭の古代寺院−遠敷郡の古代寺院、そして興道寺廃寺−』
森浩一2015『古墳時代を考える(森浩一著作集1)』
森浩一2015『和泉黄金塚古墳と銅鏡(森浩一著作集2)』
森浩一2016『渡来文化と生産(森浩一著作集3)』
森浩一2016『倭人伝と考古学(森浩一著作集4)』
森浩一2016『天皇陵への疑惑(森浩一著作集5)』
塚田良道2017「魚形歩揺の系譜」『駿台史学』第14号
塚田良道2016「魚を追う鳥−江田船山古墳出土大刀の天界図像−」『魂の考古学−豆谷和之さん追悼論文編−』
日本考古学協会第83回総会実行委員会編2017『手紙から見た日本考古学史−斎藤忠所蔵資料から−』
金相Y2015『美術品コレクター達』トルベゲ


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